「フリーランス薬剤師って自由に働けそうだけど、実際の収入はどのくらい?」
「子育てと両立できる?」
「契約を切られることはある?」
「派遣薬剤師とは何が違うの?」
フリーランス薬剤師に興味があっても、実際に働いたことがなければわからないことも多いですよね。
私は子育てをしながら、収入をできるだけ減らさず、自由な時間を確保して副業を育てたいと考え、約1年間フリーランス薬剤師として働きました。実際に働いてみると、子どもとの時間が増えた一方で、契約終了や次の仕事探しに不安を感じることもありました。
この記事では、私の実体験をもとに、フリーランス薬剤師のメリット・デメリット、収入、子育てとの両立、派遣薬剤師との違いを紹介します。フリーランス薬剤師が自分に合う働き方なのか、考えるきっかけになれば嬉しいです。
フリーランス薬剤師として働いた私の実体験
フリーランスになった理由は、収入を減らさず時間を作りたかったから
当時の私は、時短勤務の正社員として働いていました。手取りは月20万円前後で、ボーナスもありましたが、週5日勤務と子育ての両立に少しずつ負担を感じていました。
夫は子育てに協力的でしたが、平日は帰宅が遅く、子どもの急な発熱や予定変更には私が対応することが多い状況でした。
「職場に申し訳ないな」「仕事も子育ても中途半端になっている気がする」
そんな気持ちを抱える中で、もっと子どもとの時間を大切にしたいと思うようになりました。
そこで選んだのが、正社員を辞めてフリーランス薬剤師として働くことでした。
週3〜4日・17時までを中心に勤務
フリーランスになることを決めた後、薬剤師の紹介サービスを通じて案件を探しました。希望に近い案件が見つかり、週3〜4日を中心に、遅くても17時まで働くスタイルになりました。週5日勤務から週3〜4日勤務になったことで、自由に使える時間が増えました。
以前は時間に追われ、子どもに「早くして!」と言ってしまうこともありましたが、フリーランスになってからは、夕方に子どもと公園へ行く余裕もできました。
私にとっては、収入だけでは測れない時間を得られたことが、大きな喜びでした。
私の報酬は時間単価4,000円、月約28万円
私が契約した薬局では、月約70時間、時間単価4,000円という条件で働いていました。
- 月の勤務時間:約70時間
- 時間単価:4,000円
- 月の報酬:約28万円
- 交通費:別途支給
ただし、フリーランスの報酬は給与と同じではありません。税金や健康保険料、年金、必要経費などを考慮する必要があります。
そのため、報酬額だけで会社員やパートの給与と比較することはできません。
それでも当時の私にとっては、ある程度の収入を得ながら、子どもとの時間や副業の時間を確保できることに大きな価値がありました。
フリーランス薬剤師のメリット5つ
①働く曜日や時間を調整しやすい
フリーランス薬剤師は、案件の中から希望に合った仕事を選び、勤務日数や時間を相談できる場合があります。
私自身、週3〜4日、平日は16時までを中心とした働き方ができました。
「週5日は難しいけれど、週3〜4日なら働ける」「子どものお迎えに間に合う時間まで働きたい」
そんな希望がある人にとって、業務委託は選択肢の一つです。
ただし、すべての案件で希望どおりの条件が通るわけではありません。実際に案件を探してみると、短時間勤務の仕事は限られていました。
②高い時間単価の案件がある
フリーランス薬剤師には、時間単価の高い案件もあります。私自身、時間単価4,000円で働いていました。仮に月160時間働いた場合、報酬は月64万円、年間では768万円になります。
ただし、これは単純計算であり、実際にその条件の案件が見つかることや、年間を通じて同じ時間働けることを保証するものではありません。また、報酬から税金や社会保険料などを負担するため、会社員の年収と単純に比較することもできません。
高い時間単価は魅力ですが、勤務時間や契約の継続性も含めて考えることが大切です。
③子育てと仕事を両立しやすい
私にとって、勤務日数や時間を調整できたことは大きなメリットでした。
週5日勤務では難しかった子どもとの時間を確保でき、夕方も以前より余裕を持って過ごせるようになりました。子育て中は、保育園や学校の行事、急な体調不良など、予定どおりにいかないこともあります。家庭との両立を考えて働き方を選びたい人にとって、フリーランスは検討する価値のある選択肢だと思います。
ただし、契約先によって勤務条件は異なるため、子育て中でも無理なく働ける案件かどうかを確認する必要があります。
④副業や自分のための時間を確保できる
私は薬剤師の仕事を続けながら、将来的には在宅でできる仕事にも挑戦したいと考えていました。
しかし、正社員として働いていた頃は、仕事と家事、子育てで時間に余裕がなく、副業に取り組む時間を作ることが大変でした。フリーランスになって勤務時間が減ったことで、ブログなど、自分の仕事を育てる時間も確保できるようになりました。
仕事以外の時間を大切にしたい人にとって、勤務時間を調整できることは大きなメリットです。
⑤仕事に必要な費用を経費にできる場合がある
個人事業主として働く場合、事業に必要な支出は、一定の条件を満たせば必要経費として計上できます。例えば、仕事で使用する参考書や備品、業務に関連する会費などが該当する場合があります。
ただし、プライベートでも使用するものは、仕事で使用した割合などを考慮する必要があります。経費にできることと、支出したお金が戻ってくることは別です。フリーランスになると経費の管理や確定申告も必要になるため、税金の仕組みを理解しておくことが大切です。
フリーランス薬剤師のデメリット5つ
①契約終了によって仕事を失う可能性がある
私がフリーランスとして働く中で、特に不安を感じたのが契約終了です。
契約先に新しい薬剤師が採用されたことなどを理由に、契約が終了した経験があります。契約終了の時期は事前に教えていただけましたが、慣れた職場で働き続けられると思っていたため、焦りを感じました。
フリーランスは、契約が終了すれば次の仕事を探す必要があります。
自由度が高い一方で、仕事がいつまでも続くとは限らないことを理解しておく必要があります。
②希望する条件の案件が見つかるとは限らない
契約終了後、私は次の仕事を探し始めました。しかし、子育てとの両立を考え、遅くても17時までに退勤できる案件を希望していたため、なかなか条件に合う仕事が見つかりませんでした。
派遣薬剤師も選択肢に入れましたが、希望する勤務時間の求人は限られていました。
フリーランスは自分の希望に合う仕事を選びやすい一方で、希望する条件の案件が、いつでも見つかるわけではありません。契約終了に備えて貯蓄を確保したり、次の案件を早めに探したりすることも大切です。
③即戦力としての経験や対応力が求められる
フリーランス薬剤師は、契約先によっては即戦力として業務を任されます。初めて勤務する薬局では、電子薬歴や調剤システムの使い方、職場独自のルールなどを短時間で覚える必要があります。
また、わからないことを自分から確認し、周囲と連携しながら業務を進める力も大切です。
調剤経験が少ない人や、新しい職場で自分から判断して動くことに不安がある人は、まず雇用される形で経験を積むことも検討するとよいでしょう。
④社会保障や福利厚生の扱いが異なる
フリーランスは、雇用されて働く場合と社会保険や労働保険などの扱いが異なります。健康保険や年金について、自分の契約や加入状況に応じて確認する必要があります。
また、雇用される場合に利用できる福利厚生や休暇制度が、そのまま適用されるわけではありません。
自由な働き方を選ぶ前に、病気やけがで働けなくなった場合や、老後の生活についても考えておくことが大切です。
⑤税金や経費などを自分で管理する必要がある
個人事業主になると、収入や経費の管理、確定申告、税金の支払いなど、自分で対応することが増えます。
会社員として働いていたときには、勤務先が手続きをしてくれていたことも、フリーランスでは自分で確認しなければなりません。
私はフリーランスになったことで、税金や社会保障について深く考えるようになりました。自由な働き方をするためには、仕事だけでなく、こうした事務的な管理も必要になります。
※社会保険や税金の扱いは契約内容や加入状況によって異なります。実際に働く前に最新の制度を確認してください。
フリーランス薬剤師と派遣薬剤師はどちらがいい?
フリーランス薬剤師と派遣薬剤師は、どちらも勤務先や働く期間を選べる場合がある働き方です。しかし、契約形態や仕事探しの方法などに違いがあります。
| 比較項目 | フリーランス薬剤師 | 派遣薬剤師 |
| 契約形態 | 業務委託契約など | 派遣会社との雇用契約 |
| 仕事探し | 自分で探す、紹介を受けるなど | 派遣会社から紹介を受ける |
| 働き方 | 契約条件の範囲で調整 | 派遣契約や就業条件による |
| 社会保険 | 加入状況に応じて自分で確認 | 加入要件を満たせば対象 |
| 契約終了後 | 自分で次の案件を探す | 派遣会社に次の仕事を相談できる |
※実際の制度や手続きは契約内容や加入要件によって異なります。
私が感じた一番大きな違いは、個人で業務委託契約を結ぶか、派遣会社に雇用されて働くかという点です。
フリーランスは自由度が高い一方で、契約先との調整や次の仕事探しなど、自分で対応することが多くなります。
派遣薬剤師は、派遣会社に相談しながら仕事を探せるため、個人で案件を確保することに不安がある人にとって、検討しやすい働き方です。ただし、派遣でも契約終了や仕事が途切れる可能性はあります。
「いきなりフリーランスになるのは不安」という方は、まず派遣薬剤師や単発派遣を経験してみるのも一つの方法です。
派遣薬剤師の求人を探したい方は、こちらを参考にしてください。

フリーランス薬剤師に向いている人・向いていない人
フリーランス薬剤師に向いている人
- 勤務時間や曜日を調整したい人: 希望条件に合う案件があれば、生活に合わせた働き方を選べます。
- 調剤経験があり、自立して業務を進められる人: 初めての職場でも、周囲と連携しながら仕事を進める力が求められます。
- 収入と自由時間のバランスを重視する人: 収入だけでなく、子育てや副業などに使う時間も大切にしたい人に向いています。
- 契約終了のリスクに備えられる人: 貯蓄を確保したり、次の案件を探したりする準備が必要です。
フリーランス薬剤師に向いていない人
- 毎月安定した収入を最優先したい人: 案件や契約状況によって収入が変わる可能性があります。
- 長期的に同じ職場で働きたい人: 雇用契約のもとで働くほうが希望に合う場合があります。
- 税金や契約の管理に負担を感じる人: 収入・経費の管理や確定申告などが必要です。
- 仕事がなくなることに強い不安を感じる人: 契約終了後の仕事探しが精神的な負担になることがあります。
- 福利厚生や雇用による保障を重視する人: 雇用される場合との制度の違いを確認する必要があります。
私自身、フリーランスを経験したことで、自由な働き方が自分に合う部分もあれば、契約終了への不安が大きな負担になる部分もあるとわかりました。
大切なのは、メリットだけでなく、デメリットも理解したうえで自分に合う働き方を選ぶことです。
フリーランス薬剤師を辞めてパートに転職した理由
契約終了後、私は次の仕事を探しましたが、希望する短時間勤務の案件はなかなか見つかりませんでした。
そこで、フリーランスだけでなく派遣薬剤師も検討しました。しかし、希望する勤務時間などの条件が合わず、最終的にはパート薬剤師として働くことを選びました。転職後は働く時間が増えた一方で、収入は減りました。それでも、社会保険や有給休暇などの制度があり、安心して働けると感じるようになりました。
フリーランスを辞めたことを後悔しているわけではありません。
初めて個人事業主になったことで、税金や社会保障について学ぶ機会が増えました。また、雇用されて働くだけでは気づかなかった、自分の薬剤師としての価値や、時間の使い方についても考えることができました。
フリーランスを経験したからこそ、私は収入だけでなく、家庭との両立や安心して働き続けられる環境も大切にしたいと気づきました。
フリーランスを辞めたからといって、その経験が無駄になるわけではありません。
自分にとって何を優先したいのかを知ることができたのは、フリーランスとして働いたからこそ得られたものだと思います。
フリーランス薬剤師に不安があるなら、まずは単発勤務も選択肢に
「フリーランス薬剤師に興味はあるけれど、いきなり業務委託契約を結ぶのは不安……」
そんな方は、まず単発勤務から始めてみるのも一つの方法です。
実は、フリーランス薬剤師の案件の中にも、1日単位などで働ける単発案件があります。長期の契約を結ぶことに不安がある方は、まず単発の業務委託案件を探してみるとよいでしょう。
一方で、雇用契約を結んで働く「単発派遣」という選択肢もあります。業務委託と派遣では契約形態や社会保障の扱いが異なるため、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
私自身、転職活動中の収入減少を補うために、単発勤務を経験しました。
初めての勤務先でも、転職支援サービスの担当者に疑問点を相談でき、これまでの経験を生かせる診療科の案件を選んだことで、問題なく働くことができました。
単発勤務なら、まずは1日から仕事を経験できます。実際に働いてみることで、自分に合った職場や働き方を考えるきっかけにもなるでしょう。
フリーランスとして働くことに不安がある方は、単発の業務委託案件と単発派遣の両方を比較し、自分に合った方法から試してみるのもおすすめです。

まとめ|フリーランス薬剤師のメリット・デメリットを知って自分に合う働き方を選ぼう
フリーランス薬剤師には、勤務時間を調整しやすい、高い時間単価の案件がある、子育てや副業の時間を確保しやすいといったメリットがあります。
一方で、契約終了の可能性や次の仕事探し、税金・社会保障の管理など、自分で対応しなければならないこともあります。
私自身、約1年間フリーランス薬剤師として働き、子どもとの時間を確保できたことは大きな喜びでした。その一方で、契約終了を経験し、安定した働き方の大切さにも気づきました。
現在はパート薬剤師として働いていますが、フリーランスを経験したことを後悔していません。
薬剤師には、正社員、パート、派遣、フリーランスなど、さまざまな働き方があります。
大切なのは、収入や自由度だけで判断するのではなく、自分が何を大切にして、どんな生活を送りたいのかを考えることです。
今の働き方に迷っている方は、フリーランス薬剤師も選択肢の一つとして知り、自分に合う働き方を考えるきっかけにしてみてください。




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